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考古・歴史

信仰と美を伝えるもの―聖なる文化財― 2023年7月22日(土曜) ~ 2023年9月10日(日曜)

「文化財」とはどのような意味をもつ言葉でしょう?この言葉は、昭和25年(1950)制定の文化財保護法によって一般に用いられるようになった語で、英語のcultural propertiesの訳語です。
同法では、「わが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできない」、また、「将来の文化の向上発展の基礎をなす」貴重な国民的財産と定義しています。今回展示している作品・資料は、国、県、市などによっていまだ「文化財」として、指定、認定、登録を受けていないものです。しかしながら、「歴史、文化等の正しい理解」、とりわけ、「神戸の歴史を考える」上では欠くことのできないという点でまぎれもない「文化財」です。
共通する特色は、通常の世界を超えた神秘的な世界と、この世界をつなぐ「聖なる文化財」であるという点。時空を超えて、人々の信仰と美的感性を今に伝えてくれる珠玉の品々です。
古代インドの文字で表わされた宇宙の姿、世界を動かす強大な力を持つ存在に働きかけるための呪術に用いられた絵画、永遠の生命あふれる光り輝く世界から降臨してくる聖なる存在…。
独自の美の内に秘められた人々の敬虔けいけんな心と祈りを感じとっていただければ幸いです。

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    種子曼荼羅(胎蔵界) 福祥寺(須磨寺)蔵

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    阿弥陀三尊来迎図 妙法寺蔵

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    既多寺知識経(大智度論巻91) 当館蔵

展示作品リスト

  • 既多寺知識経(大智度論巻91) 天平6年(734年) 紙本墨書 1巻 当館蔵
  • 種子曼荼羅 鎌倉時代、13世紀 絹本著色 2点 福祥寺(須磨寺)蔵
  • 不動明王画像 平安時代、12世紀 絹本著色 1幅 太山寺蔵
  • 尊勝曼荼羅 室町時代、15世紀 絹本著色 1幅 太山寺蔵
  • 阿弥陀三尊来迎図 室町時代、15世紀 絹本著色 1幅 妙法寺蔵