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考古・歴史

聖なる世界への憧憬どうけい―経箱の世界― 2022年5月17日(火曜) ~ 2022年7月8日(金曜)

経箱とは、仏教の聖典である経典を納めるための箱です。素材は様々ですが、中には金属で造られ、通常は人眼にふれることのない地下に埋納されるものがあります。
何故、貴重な経典と希少な金属製の経箱を、まるで隠すかのように地中に埋納したのでしょう?それは、遥かな時空を超えて、聖なる世界におわします存在に、経典を捧げ、祈りを届けるためなのです。祈りを届ける相手はさまざま。
遥か未来にこの世を救うとされる弥勒菩薩みろくぼさつや、死後の世界を司ると考えられた地獄の王・閻魔などがその代表的存在です。埋納される「場」もまた重要でした。そこは、この世とあの世の接点・マージナルな空間であることが求められました。
今回の展示では、古来、異界への通路として信仰を集めた神戸・有馬に伝来した中世の経箱をご紹介し、いにしえに生きた人々の聖なる世界への憧憬を探ります。

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    経箱 (一社)有馬温泉観光協会蔵 

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    経箱 内箱の蓋表 (一社)有馬温泉観光協会蔵

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    経箱 神戸市立博物館蔵

展示作品リスト

  • 経箱 文永8年(1271) 銅製鍍金 当館蔵 神戸市指定文化財
  • 経箱 鎌倉時代、13世紀 銅製鍍金 一般社団法人 有馬温泉観光協会蔵 兵庫県指定文化財
  • 法華玄義 弘安4~7年(1281-1284) 木版墨刷 太山寺蔵