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美術

医は仁術なり ―江戸時代の医学資料― 2024年2月10日(土曜) ~ 2024年3月17日(日曜)

病気になったり怪我をしたりすると、頭に思い浮かぶのは早期回復への願い、そして日々の健康の有り難みではないでしょうか。
このような時、頼りになるのは病院や薬局などの医療施設、そしてそこで働く人々です。今日では、昔に比べて多くの病気や怪我を治すことができるようになりました。そんな現代医学の礎が築かれたのは、江戸時代のこと。この頃、西洋から新しい知識が流入し、医学は大きな発展を遂げました。日本医学史上、最も画期的な書籍の一つである『解体新書』が安永3年(1774)に刊行されてから、今年はちょうど250年。それから今に至るまでの医療技術の進歩には、目覚ましいものがあります。
医は仁術なり―医学は人の命を救い、人を慈しむ道である。この言葉は、医者のあるべき姿を説いたものとして、江戸時代に好んで用いられました。空前のパンデミックを経験した今だからこそ、人々の病と果敢に向き合った彼らの奮闘の軌跡に目を向けます。

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    解体新書

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    外科手術図(部分)

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    医範提綱図解

展示作品リスト

  • 紅毛秘伝外科療治集 中村宗璵著 貞享元年(1684)刊 紙本木版 5冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 蔵志 山脇東洋著、山脇東門校、浅沼佐盈画 宝暦9年(1759)刊(天保12年・1841再版) 紙本木版一部筆彩 2冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 解体新書 杉田玄白・前野良沢ほか訳、小田野直武画 安永3年(1774)刊 紙本木版 5冊 当館蔵(池長孟コレクション、牧野富太郎旧蔵)
  • 人体解剖図 オランダ語版 ホヴェルト・ビドロー著、へラルト・デ・ライレッセ原画 1728年刊 紙本銅版 1冊 当館蔵
  • 重訂解体新書 杉田玄白訳、大槻玄沢重訂 文政9年(1826)刊 紙本木版 13冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 重訂解体新書銅版全図 南小柿寧一・中伊三郎画 文政9年(1826)刊 紙本木版・銅版 1冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 外科手術図 伝荒木如元筆、吉雄耕牛奥書 寛政2年(1790)跋 紙本著色 1巻 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 医範提綱 宇田川玄真訳、藤井方亭編 文化2(1805)刊(弘化2年・1845再版) 紙本木版 1冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 医範提綱図解 亜欧堂田善画 文化5年(1808)刊 紙本木版・銅版 1帖 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 眼科新書 杉田立卿訳、石川大浪画 文化12(1815)序・文化13年(1816)跋 紙本木版一部色摺 6冊 当館蔵
  • 把而翕湮解剖図譜下編 斎藤方策・中天游訳 文政5年(1822)序 紙本木版 1冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 把而翕湮解剖図 中伊三郎画 文政5年(1822)識 紙本銅版 1帖 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 蘭療薬解 広川獬訳、吉雄永貴閲、栗崎徳甫校、藤若子画 文化3年(1806)刊 紙本・木版銅版 1冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 蘭療方 広川獬訳、吉雄永貴閲、栗崎徳甫校、山口素絢画 享和4年(1804)序 紙本木版 1冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 瘍科精選図解 越村徳基訳、牧墨僊画 文政2年(1819) 序 紙本木版一部色摺 2冊 当館蔵(池長孟コレクション)
  • 薬品会出品物(無題) 二代柳川重信 天保9年(1838) 紙本木版色摺 1枚 当館蔵(池長孟コレクション)