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特別展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」 2024年6月22日(土曜) ~ 2024年8月25日(日曜)

開催概要

人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。なかでも日本人が深い関心をよせるもののひとつがテルマエです。テルマエは古代ローマの高度な建築・土木技術の証であると同時に、彼らの豊かな暮らしの象徴として捉えられています。それはひとえに、日本で公衆浴場がこよなく愛されているからに他なりません。『ローマ十四区総覧』(Curiosum urbis RomaeとNotitia urbis Romae)によれば、4世紀のローマ市にはテルマエが11、小規模なバルネウム(pl. balnea)が856〜951もあったといいますが、日本では家庭内の風呂が当たり前になった現在でも、東京だけで約700軒の公衆浴場が存在します。日本はまた、イタリアと同様に火山国でもあり、天然の温泉が多く湧出します。各地の温泉は観光地としても人気があり、今も昔も多くの旅行客や湯治客を集めています。

こうした親近感をさらに広めたのが、イタリア在住のヤマザキマリ氏による漫画『テルマエ・ロマエ』(2008-2013年)でした。この漫画はハドリアヌス時代のローマ人建築家ルシウスが、古代ローマと現代日本を往還してその類似と相違に驚愕する姿を描いたコメディで、日本で累計900万部を売上げ、イタリア語を含む8カ国語に翻訳されました。氏はこの作品によって、日本人漫画家として初めて、イタリア共和国から勲章コンメンダトーレ章を受章しています。
本展では、同漫画の主人公ルシウスが案内人として、解説パネル等に登場します。日本における古代ローマ研究の第一人者である青柳正規氏、芳賀京子氏の監修と、ヤマザキマリ氏のご協力により、鑑賞者が古代ローマをより身近に感じていただくことができるでしょう。

また本展の開催館には、国内有数の温泉地のある地域が含まれており、それぞれの地域には、地方色豊かな温泉の歴史が残されています。神戸会場では、有馬温泉にまつわる歴史と文化をご紹介します。加えて日本では江戸時代、古代ローマのように市民が通う公衆浴場が広まりました。温泉そして公衆浴場にも触れ、日本の浴場文化とその歴史もあわせてご紹介します。『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが、浴場をとおして日本とローマを往復したように、それぞれの浴場文化を体感することのできる機会となるでしょう。
会期
2024年6月22日(土曜)~8月25日(日曜)【56日間】
前期:6月22日(土曜)~7月28日(日曜)
後期:7月30日(火曜)~8月25日(日曜)
休館日
月曜日(ただし7月15日[月曜・祝]、8月12日[月曜・振休]は開館)
  7月16日(火曜)、8月13日(火曜)
開館時間
9時30分~17時30分(金曜と土曜は20時00分まで)
  ※展示室への入場は閉館の30分前まで
入場料
一般1,800円(1,600円) 大学生900円(800円) 高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金。
※高校生以下の方は、学生証・生徒手帳などをご提示ください。
※神戸市内在住で満65歳以上の方は、当館券売窓口にて証明書の提示で当日一般料金が半額。
※障害のある方は障害者手帳などの提示で無料。

【発売日】
 前売券 4月22日(月曜)10時00分~6月21日(金曜)23時59分
 当日券 6月22日(土曜)0時00分~8月25日(日曜)15時00分
 8月25日(日曜)15時00分以降は博物館窓口のみにて販売

【公式オンラインチケット】
 https://www.e-tix.jp/thermae-ten/

【その他の主な販売先】※チケット購入時に手数料がかかる場合があります
◆チケットぴあ(セブンイレブン) Pコード: 686-870
 https://w.pia.jp/t/thermae-kobe/

◆ローソンチケット(ローソン、ミニストップ) Lコード:51607
※電子チケット取り扱いあり
 https://l-tike.com/thermae-kobe/

◆CNプレイガイド(ファミリーマート店内マルチコピー機)
 0570-08-9999(10:00~18:00 オペレーター対応)
 http://cncn.jp/thermae-kobe/

◆イープラス(ファミリーマート店内マルチコピー機)
 ※電子チケット取り扱いあり
 https://eplus.jp/thermae-kobe/

◆セブンチケット(セブンイレブン) セブンコード: 104-877
 https://7ticket.jp/sp/thermae-kobe

◆楽天チケット
 'https://r-t.jp/thermae-kobe

◆アソビュー!
 'https://www.asoview.com/channel/tickets/5HI8b9D6Pa/
主催
神戸市立博物館、神戸新聞社、朝日新聞社
後援
イタリア大使館、サンテレビジョン、ラジオ関西
協賛
神戸サウナ&スパ、公益財団法人 日本教育公務員弘済会 兵庫支部、一般財団法人みなと銀行文化振興財団
監修
青柳正規氏(山梨県立美術館館長、東京大学名誉教授)、芳賀京子氏(東京大学大学院教授)
特別協力
イタリア文化会館-大阪
協力
ヤマザキマリ、アトラ協同組合、一般社団法人有馬温泉観光協会、一般財団法人 神戸観光局、神戸市浴場組合連合会、神戸新聞旅行社、株式会社ポトマック
展覧会公式HP
https://thermae-ten.exhibit.jp/

展覧会の構成と主な出品作品

出品目録

©ヤマザキマリ

 

序章 テルマエ/古代都市ローマと公共浴場

ローマ市で最初のテルマエは、初代皇帝アウグストゥスの右腕・アグリッパによって紀元前25年に建設されました。今も地上に遺構がよく残っているのは、カラカラ浴場(217年)と、ローマ市で最大のディオクレティアヌス浴場(302年頃)です。大規模なテルマエの運営には、水道の管理・維持に加え、大量の燃料と奴隷を必要としました。そのため古代ローマの風呂文化は、中世には消え去ってしまいました。

「カラカラ帝胸像」212~217年
ナポリ国立考古学博物館蔵

Photos © Luciano and Marco Pedicini

第1章 古代ローマ都市のくらし

古代ローマ人は、古くは質実剛健を旨とし、農業こそが富の正しい源であると考えていました。しかし、地中海に勢力を拡大して圧倒的な富を手に入れると、その生活も変容していきます。帝政初期には、ごく一部の特権階級と「大衆」の格差はかつてないほどに広がりました。皇帝たちは大衆の不満を解消すべく、食糧の施与や、剣闘士試合、演劇を含む見世物など娯楽の提供という施策をおこないました。テルマエも大衆からの人気獲得に大いに役立ちました。庶民たちのくらしは特別な日の見世物と、毎日の仕事の後のテルマエによって彩られていました。

「ヘタイラ(遊女)のいる饗宴」1世紀
ナポリ国立考古学博物館蔵

Photos © Luciano and Marco Pedicini

第2章 古代ローマの浴場

公共浴場のルーツには、自然の温泉のほかに、古代ギリシャの運動施設の水風呂や、医神の神域の入浴施設がありました。ですがそれを大衆の娯楽のために、驚くほどの規模へと発展させたのは古代ローマ人でした。ギリシャでは若者たちは肌に油を塗り、全裸で運動したため、運動後にはストリギリス(肌かき器)で汚れを落とし、水で身体を洗う必要がありました。ギリシャでは女性の入浴の場は自宅に限られていましたが、ローマでは女性もテルマエに通うことができました。水や湯をふんだんに使用するテルマエは、水道をはじめとする高い建築・土木技術に支えられていました。

「ゴールドバンド装飾瓶」1世紀
平山郁夫シルクロード美術館

「ライオン頭部形の吐水口」1世紀
ナポリ国立考古学博物館蔵

Photos © Luciano and Marco Pedicini

第3章 テルマエと美術

テルマエは、大衆が美術品を間近に見ることができる場でもありました。床には水に強いモザイクが敷かれ、1〜2世紀には白黒モザイク、それ以降は多彩モザイクが好まれました。 ローマの大規模なテルマエには数多くの大理石彫刻も飾られました。皇帝や浴場の建設者の肖像のほかに、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーが、壁面のニッチや円柱の間の台座の上に並びました。浴場のルーツのひとつであるギュムナシウム(運動施設)にちなんだアスリート像や、それを守護するヘラクレスの彫像など、浴場にふさわしい主題が選択されました。

「恥じらいのヴィーナス」1世紀
ナポリ国立考古学博物館蔵

Photos © Luciano and Marco Pedicini

第4章 日本の入浴文化

本展の最後の章では、国内に残される地方色豊かな温泉文化にも触れながら、日本のお風呂の歴史を概観します。日本において入浴の習慣が定着したのは江戸時代、家庭内の風呂が当たり前になった現在でも、東京だけで約700軒もの公衆浴場が存在しています。温泉地へ旅することや近年のサウナブームも、日本人がお風呂好きな民族であることに起因するのでしょう。『テルマエ・ロマエ』の主人公・ルシウスが、浴場を通して日本とローマを往復したように、古代ローマと日本のそれぞれの入浴文化を体感ください。
神戸会場では、有馬温泉についてご紹介します。
※会期中、一部の作品に展示替えがあります。

豊臣秀吉像 桃山時代、17世紀初期
神戸市立博物館(池長孟コレクション) ※後期展示

関連イベント

・「ヤマザキマリ氏トークショー」 ※事前申込制

 日時:6月22日(土曜)14時00分~15時30分
 会場:神戸市立博物館 地階講堂
 定員:140名(事前申込、応募者多数の場合は抽選)
 参加費:無料(当日ご使用いただける本展観覧券が必要)
 申込期間:4月23日(火曜)~5月24日(金曜)
 ※詳細、申込はコチラ
 

・イタリア文化会館-大阪特別協力「珠玉のバロック ヴァイオリン&チェンバロコンサート」 ※事前申込制

 日時:6月23日(日曜)14時00分~16時00分
 会場:神戸市立博物館 地階講堂
 定員:140名(事前申込、応募者多数の場合は抽選)
 参加費:無料(当日ご使用いただける本展観覧券が必要)
 申込期間:4月23日(火曜)~5月24日(金曜)
 ※詳細、申込はコチラ

・学芸員による展示解説会

 日時:毎週土曜日 17時00分~17時30分(開場は16時30分)
 場所:神戸市立博物館 地階講堂
 定員:140名(当日受付、先着順)
 参加費:無料(当日ご使用いただける本展観覧券が必要)

・未就学児と保護者のための鑑賞会

 日時:7月8日(月曜) 9時30分~11時30分(入場は11時まで)
 対象:未就学児とその保護者
 参加費:未就学児1名につき、保護者2名まで無料(申込不要)

・障害者のための鑑賞会

 日時:7月8日(月曜) 13時30分~15時30分(入場は15時まで)
 対象:障害者手帳をお持ちの方とその介護者
 参加費:無料(申込不要)

・文化庁補助事業 英語通訳付き 有馬を巡るバスツアー

 日時:7月13日(土曜)9時00分~12時40分
 会場:神戸市立博物館(神戸市中央区京町24番地)
 募集人数:20名(応募者多数の場合は抽選)
 参加費:2,500円(特別展観覧料を含む)
 申込締切:7月2日(火曜)12:00
 ※詳細、申込はコチラ

ジュニアミュージアム講座「タイルで、アートタイム」

テルマエ展に出品されるモザイクアートのように、自分で描いたイラストを色鮮やかなタイルで飾り付けます。
世界に1つだけのアートをつくってみませんか?

日時:2024年7月20日(土曜)
 午前の部 10時30分~12時00分(受付は10時15分~)
 午後の部 14時00分~15時30分(受付は13時45分~)
会場:神戸市立博物館 体験学習室
募集人数:各回10名(応募者多数の場合は抽選)
申込期間:2024年6月19日(水曜)14時~7月3日(水曜)23時59分
料金:500円(当日、1階インフォメーションにて現金でお支払いください)
申込方法:市イベントページ・「おでかけKOBE」
 ※詳細、申込はコチラ
・オンラインでの予約のみです。
・電話での申し込みは受け付けておりません。
・1回の申し込みで1名の申し込みができます。複数名の申し込みはできません。
・同一応募者による複数のご応募は、無効とさせていただきます。
・申し込みの時点で参加は確定していません。博物館からのお知らせをお待ちください。
※申し込み後の自動返信メールは、博物館からのお知らせではありません。
・応募者多数の場合は抽選となります。
※7月12日(金曜)を過ぎても当落通知が確認できない場合は神戸市立博物館にご連絡ください。
・咳、発熱など体調不良の症状がある方は、受講をお控えください。
・天災などにより中止になる可能性があります。

広報用画像に関する問い合わせ

特別展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」広報事務局(ネネラコ内)
〒531-0072 大阪市北区豊崎3-15-5 TKビル
電話 06-6225-7885 FAX 06-7635-7587(平日:10時-17時)
E-mail thermae-kobe@nenelaco.com
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