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兵庫津絵図

茶色は町場、黄色は寺社、町場から三方に伸びる朱線は街道筋を表わします。画面中央の兵庫勤番所の西側に安政6年(1859)に幕府が設置する箱館産物会所が描かれていることから、本図の作成はそれ以降とみられます。ほかに明和6年(1769)から慶応3年(1867)頃に作成された同様の形式の絵図6点が知られています。これらの絵図の比較から、兵庫津では一八世紀半ばから19世紀半ばまでの約100年の間に海岸部、なかでも湊川河口付近を中心に市街地が急速に拡大していることが読み取れます。本図を含め、これらの絵図は近世後期の港湾都市兵庫津の発展過程を考える一つの指標として重要です。

【近世の神戸】【古地図】
名称 兵庫津絵図 ひょうごつえず
作者名 未詳 
時代 江戸時代後期、安政6年~文久2年頃/1859年~1862年頃
材質 紙本淡彩
サイズ 73.5×103.5
員数 1鋪
その他の情報

来歴:2004神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録、2008
・高久智広「近世兵庫津における絵図制作と都市空間」(『兵庫津の総合的研究』大手前大学史学研究所 2008)
・神戸市立博物館特別展『よみがえる兵庫津―港湾都市の命脈をたどる―』図録、2004
・高久智広「近世期兵庫津北浜における浜先地開発と屋敷割の変化について」(『神戸市立博物館研究紀要』第18号、2002)
指定区分
分野 絵図・地図