Language | 文字サイズ  S M L

新吉原夜俄之図

亜欧堂田善(またはその門人)が手がけた多くの銅版画の中で、もっとも人気を博したシリーズが、これらの小形江戸名所図です。北斎などの浮世絵風景版画の構図や上方の小型銅版画の流行に影響を与えた点でも重要な作品群です。田善の基準作『青蔭集』挿図にも通じる写実性と抽象化が同居する、緩急のメリハリの利いた表現が見られる点も大きな特徴です。現在25種類の図柄が確認されていて、そのうち神戸市立博物館は19種を所蔵しています。一見、他の銅版江戸名所図と同じく亜欧堂田善の作品のようにみえますが、前景の座敷に着座いている人々の描き方が、同様の風景を描いた「自大槌屋後楼臨不忍池図」と大きく異なっています。提灯等に見えるカタカナの表記も田善の基準作と異なることから、田善とほぼ同時代の門人による作品と推定されます。

【江戸の絵画】
名称 新吉原夜俄之図 しんよしわらよるにわかのず
作者名 亜欧堂 工房作 あおうどうこうぼう
時代 江戸時代/19世紀初期
材質 銅版墨摺
サイズ 11.7×17.0
員数 1枚
その他の情報 落款「亜歐堂」

来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
・塚原晃「田善とテンセン 亜欧堂系銅版江戸名所図における表現技法上の諸問題」(『神戸市立博物館研究紀要』第24号) 2008
指定区分
分野 銅版画