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万国図

オーストラリア大陸のカーペンタリア湾が南回帰線よりもさらに南へ入り込んでいます。このような描写がみられるのは、1645年頃に作製されたJ.ボアソの世界図に限られるので、おそらくこれを写したものでしょう。この世界図は、安永4年(1775)に林子平が長崎で写したもの、伊能忠敬所蔵図など、いくつか確認されています。本図も模写図の一つ。日本人が描く両半球図では最も早い時期のものですが、百年以上前に作られた西洋製の世界図が利用されていたことがわかります。

【古地図】
名称 万国図 ばんこくず
作者名 不明 
時代 江戸時代、安永8年/1779年
材質 手書手彩
サイズ 99.1×199.2
員数 1舗
その他の情報 南波松太郎コレクション

来歴:南波松太郎→1983神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録 2019
・鮎澤信太郎「世界地図の部」開国百年記念文化事業会編『鎖国時代 日本人の海外知識―世界地理・西洋史に関する文献解題―』乾元社 1953 のちに原書房刊として1973に再刊
指定区分
分野 絵図・地図