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貝貼り書簟笥

16世紀後期から17世紀初めにかけて、ヨーロッパ向けに製作された書箪笥。両側面には提げ手が着いており、移動式机としての機能も有していたと考えられます。天板、正面の扉表、両側面には扇形の貝片を貼り付け、一つずつ鋲で留める装飾を施しています。これは、インド北西部にあるグシャラート地方の貝貼細工に影響を受けたものと指摘されています。

ポルトガル語でエスクリトリオ(escritotio)と呼ばれる正面に前開きの扉が付いた箪笥で、扉を開くと4段9個の抽斗が現れます。抽斗には、周囲に螺鈿を施して額縁のような枠を設け、枠内に平蒔絵、針描き、螺鈿で楓、葛、水草などの草花文や蜃気楼と推測される貝などの意匠が確認できます。

ポルトガルの経由地であったインドからもたらされた装飾技法と日本の漆工芸品との交融がうかがえる作品です。

【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】
名称 貝貼り書簟笥 かいばりしょだんす
作者名 製作者不詳/京都製 
時代 江戸時代/17世紀初頭
材質 木に漆、蒔絵、貝貼り
サイズ 高31.2 29.0×42.9
員数 1個
その他の情報

来歴:1983神戸市立博物館

参考文献:
・越智裕二郎「貝貼り書箪笥」神戸市立博物館『研究紀要』第1号 1984
指定区分
分野 工芸・漆工