グラヴュールV.O.C.マーク入り吊り行灯
宙吹き(ちゅうぶき)成形によるガラス製の吊行灯。正面にはオランダ東インド会社を意味するV.O.C.(Vereenigde Oost-Indische Compagnie)のモノグラムを、背面には根のある草花文を、グラヴュール(回転する車状工具でガラスの表面(ひょうめん)を削る技法)で加飾しています。モノグラムの輪郭は深く削り込み、内部は薄く研磨するようにして、彫り分けています。反対面には、花弁や葉の形をシルエット状に薄く削った後に、花脈や葉脈を深く削り込んだ、立体感に富む草花文が表わされています。18世紀後期の長崎製と推定されており、当時の宙吹き作例としては現存最大級と指摘されています。
「奉/東寺/勧智院僧正ヨリ頂戴」とある書付が残るとともに、「釣燈篭」「釣照闇」といった当時の呼称も確認できる点でも興味深い作品です。
【びいどろ・ぎやまん・ガラス】
「奉/東寺/勧智院僧正ヨリ頂戴」とある書付が残るとともに、「釣燈篭」「釣照闇」といった当時の呼称も確認できる点でも興味深い作品です。
【びいどろ・ぎやまん・ガラス】
名称 | グラヴュールV.O.C.マーク入り吊り行灯 ぐらゔゅーるぶいおーしーまーくいりつりあんどん |
作者名 | 製作者不詳/長崎製か |
時代 | 江戸時代/18世紀後期 |
材質 | 鉛ガラス |
サイズ | 高26.0 径22.0 |
員数 | 1点 |
その他の情報 | 池長孟コレクション 来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館 参考文献: ・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録 2019 ・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録 2008 ・棚橋淳二「江戸時代のガラス器の比重(三)」神戸松蔭女子学院大学・松蔭女子学院短期大学『研究紀要』人文科学・自然科学篇第28号 1986 |
指定区分 | |
分野 | ガラス |