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東都名所全図(小形江戸名勝図シリーズ)

亜欧堂田善(またはその門人)が手がけた多くの銅版画の中で、もっとも人気を博したシリーズが、これらの小形江戸名所図です。北斎などの浮世絵風景版画の構図や上方の小型銅版画の流行に影響を与えた点でも重要な作品群です。田善の基準作『青蔭集』挿図にも通じる写実性と抽象化が同居する、緩急のメリハリの利いた表現が特徴です。現在25種類の図柄が確認されていて、そのうち神戸市立博物館は19種を所蔵しています。

この江戸鳥瞰図は、江戸の隅田川の東岸上空から俯瞰したもので、拡大するとびっしりと描きこまれた家屋の合間にカタカナの地名表記もところどころに散りばめられている。3種類ある田善の銅版画シリーズでは最小の紙形のひとつで、中型の「自隅田川望南之図」ととは視点や構図が異なる。享和年間(1801-1804)に鍬形蕙斎が木版として描いた江戸鳥瞰図を銅版画として再構成したもの。

【江戸の絵画】
名称 東都名所全図(小形江戸名勝図シリーズ) とうとうえいしょぜんず こがたえどめいしょうずしりーず
作者名 亜欧堂田善 あおうどうでんぜん (1748-1822)
時代 江戸時代/19世紀初期
材質 銅版筆彩
サイズ 11.7×16.2
員数 1枚
その他の情報 落款「亞歐堂」

来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
指定区分
分野 銅版画