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豊臣秀吉像

秀吉は慶長3年(1598)に歿すると、翌年には「正一位豊国大明神」の神号が朝廷から勅許され、神となり、京都の東山七条には、秀吉の霊廟と彼を祀る豊国社が造営されました。本図では、右手に笏(あるいは檜扇)を持ち、威儀を正して繧繝縁の上畳に座る秀吉が描かれています。御簾を巻き上げた宮殿のなかで、神の表象とされた烏紗帽を被り、直衣、指貫を着て、左脇に太刀が立て掛けられています。宮殿上部には桐文が配され、秀吉の背景には淡墨で桐図が描かれており、豊臣家の家紋を意識的に織り込んでいます。本図に附属する極めでは、狩野常信は本図を狩野山楽の筆と比定しています。作者についてはなお検討を要しますが、神格化された秀吉の姿を描いた桃山時代の優品です。

【南蛮美術】
名称 豊臣秀吉像 とよとみひでよしぞう
作者名 筆者不詳 
時代 桃山時代/17世紀初期
材質 絹本著色
サイズ 36.9x81.6cm
員数 1幅
その他の情報 落款・印章:なし

来歴:一条会爵家伝来?→池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録 2019
・神戸市立博物館特別展『南蛮見聞録』図録 1992
指定区分
分野 日本画